【コラム】サラ川から資産形成・投資を学ぶ ≪第10回≫「円安・インフレに備える」
第10回 「円安・インフレに備える」
【サラ川から資産形成・投資を学ぶ】
投資する場合、「ふやす」ことに焦点があたりますが、投資のもっとも基本的な部分は、物価に連動する資産の保有だと考えます。
つまり、今の100万円が円安やインフレになっても10年後同じ購買力を持つようにする(円安やインフレによるモノ・サービス価格の上昇と同じだけ金融資産の価値も上昇させる)ことです。
この句のとおり、物価高に対する生活防衛は節約なのですが、節約には限界があります(だから、「もう音上げ」です)。しかし、インフレに連動する資産を保有(≒投資)していれば、その資産からの収益で物価上昇分はある程度カバーできるはずです。
現在の日本のインフレは円安米ドル高による輸入品の値上がり要素が大きいのですが、円安で価値の増える外貨(米ドル)建資産を保有していれば、円ベースの値上がり益や利息の増加などでインフレ分がある程度相殺できたはずです。
また、インフレが景気拡大に伴うものであれば、株価は上昇している可能性が高いので、株式がインフレヘッジ性のある資産です。
もちろんその一方で、円高局面では外貨建資産は値下がりし、不景気では株価下落の可能性は高くなりますが、円高・不景気局面では物価にも下落圧力がかかります。
投資と家計のお金は区分している人が多いので、このように考える人はまだ少数派だと思いますが、「投資でふやす」以外にこんな考え方はいかがでしょう。
~コラム執筆者の紹介~
村井 幸博
第一生命経済研究所 研究理事
第一生命グループで内外債券、株式、デリバティブなど投資業務を長期にわたり担当、商品開発業務などにも携わる。
現在は第一生命経済研究所で金融リテラシー、資産形成・投資、金融ウェルビーイングなどのセミナー・研修を担当。
※「サラリーマン川柳」は2022年に「サラっと一句!わたしの川柳」に改名いたしました。
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