掲載日:2026/10/13
「最近、景気は良いの?悪いの?」
経済ニュースを見ていると、そんな疑問を持つことがあるかもしれません。
景気を判断するために、政府や企業、金融機関が注目している統計は数多くあります。その中でも、私たちの暮らしと特に深く関わっているのが「家計調査」です。
10月9日に公表された2026年8月の家計調査では、二人以上の世帯の実質消費支出が前年同月比3.1%減となり、9か月連続のマイナスとなりました。
なぜ、この数字がニュースになるのでしょうか。
今回は、景気の動きを映し出す「家計調査」について見ていきましょう。
家計調査とは?
家計調査は、総務省が全国約9,000世帯を対象に毎月実施している統計調査です。
食費や光熱費、外食、旅行など、家庭のお金の使い方を調べ、「今、人々は何に、どのくらいお金を使っているのか」を把握しています。
いわば、日本中の家庭の家計簿を集めて分析しているようなものです。
企業の売上や工場の生産状況を示す統計もありますが、家計調査の特徴は、私たち消費者の行動を直接把握できる点にあります。
私たちの消費が景気を動かす?!
私たちがスーパーで買い物をしたり、レストランで食事をしたり、旅行へ出かけたりすると、そのお金は企業の売上になります。
企業の売上が増えれば、設備投資や新商品の開発、賃上げにつながる可能性があります。
一方で、多くの家庭が節約を意識して支出を抑えると、企業の売上は伸びにくくなり、景気にも影響を与えます。
つまり、私たち一人ひとりの消費行動は、知らないうちに景気を支える重要な役割を果たしているのです。
今回の結果から何が読み取れる?
今回の調査では、実質消費支出が前年同月比3.1%減少しました。
ここでいう「実質」とは、物価の変動による影響を除いて計算した数字のことです。
例えば、昨年1,000円で買えた商品が今年は1,100円になった場合、支払う金額は増えていても、購入できる量は変わりません。
つまり今回の結果は、
「支払う金額は増えていても、実際に購入しているモノやサービスの量は減っている」ことを意味しています。
8月は、食料や光熱・水道、教養娯楽費などの支出が減少し、全体を押し下げました。
物価上昇が続くなか、多くの家庭が支出の優先順位を見直し、節約を意識している様子がうかがえます。
プラスワン知識! 家計調査が注目される理由
家計調査は、単なる「家庭のお金の記録」ではありません。
日本経済の約半分以上を占めるといわれる個人消費の動きを把握するための重要な資料でもあります。
そのため、政府や企業だけでなく、日本銀行や市場関係者も家計調査の結果に注目しています。
例えば、
・家計の支出が増えている
・外食や旅行が活発になっている
・高額商品の購入が増えている
といった状況であれば、景気回復の兆しとして受け止められることがあります。
反対に、支出が伸び悩んでいる場合は、景気の先行きに慎重な見方が広がることもあります。
家計調査は、「今、世の中のお金がどのように動いているのか」を映し出す鏡のような存在なのです。
ニュースで家計調査の結果を見かけたら、「今、みんなは積極的にお金を使っているのだろうか、それとも節約しているのだろうか」という視点で眺めてみてください。
経済ニュースが、これまでより少し身近に感じられるかもしれません。
編集者:第一生命 資産形成プラス担当者
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