「一〇〇年に 一度の不況が 五年毎」窓際貴族 (第23回 2009年)
【サラ川から資産形成・投資を学ぶ】
そして最後が米住宅バブルです。この時も日経平均株価は約61%下落しています。(「リーマンショック」と言われます)
米住宅バブル相場は、
・同時多発テロに対応するための景気刺激策・金融緩和(テロとの戦い)
・住宅ローンを証券化する技術により低所得者層の住宅ローン借入が容易になったこと
・上記に伴う堅調な住宅需要や不動産・株式の値上がりに伴う経済への波及効果
などにより発生しました。この間日本は、小泉内閣の「改革なくして成長なし」の経済政策のもの金融機関の不良債権問題の抜本的な解決などが図られ、米国経済の回復と日本の金融緩和の継続、日米金利差による円安を追い風にした企業業績回復、加えて証券税制の見直し(「貯蓄から投資へ」を促すため税率を10%軽減税率導入)などで株価が上昇しました。特徴的だったのは、外国債券を投資対象とする「グローバルソブリン」という投資信託が、団塊世代の定年期も重なり爆発的に売れ、「グロソブブーム」と言われるようになったことです。しかし、
・米FRB(連邦準備制度理事会)が金融緩和から金融引締め(利上げ)に転換
・住宅ローン金利上昇による破綻者増加と担保不動産処分による不動産価格下落
・それに伴う証券化関連商品の価格急落とそれに関連した金融機関の破綻・危機
(リーマンブラザースの破綻など)
により、急速に株価が下落しました。米国の金融危機による不況と金融危機の欧州金融機関への波及、円高(1㌦120円台⇒70円台へ)によって、日本の株式も上記のように大きく下落(円高によりグロソブの価格も大きく下落)することになりました。
金融の統計学的にはこのような下落は99%ないこと(100年に一度の確率)になっていたのですが、
ITバブルの崩壊から5年で起こったことでこのような句になりました。
~コラム執筆者の紹介~
村井 幸博
第一生命経済研究所 研究理事
第一生命グループで内外債券、株式、デリバティブなど投資業務を長期にわたり担当、商品開発業務などにも携わる。
現在は第一生命経済研究所で金融リテラシー、資産形成・投資、金融ウェルビーイングなどのセミナー・研修を担当。
※「サラリーマン川柳」は2022年に「サラっと一句!わたしの川柳」に改名いたしました。
※作品の著作権はすべて第一生命に帰属しています。無断での転載、使用はご遠慮ください。
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