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「あつ森に ローンの返済 先越され」 NOベル(第34回 2020年)
第5回 「『住宅』という資産形成」
【サラ川から資産形成・投資を学ぶ】
日本の公的年金の水準は、「持ち家」を前提としているといってよいでしょう。2023年度の国民年金(老齢基礎年金(満額))は月額約6.6万円、モデル世帯の年金(夫婦2人の老齢基礎年金満額と夫の厚生年金)は月額22.4万円ですから、毎月の家賃を前提としてしまうと夫婦のモデル世帯でも生活は厳しいと思います。現在の60歳以上世帯の持ち家比率は約8割で、過去からの推移も安定的です。公的年金の水準が大きな社会問題にならなかったのはこの持ち家比率の高さにあると考えています。住宅は現役時代の「住まい」にスポットがあたりますが、老後の住まいの確保という点で老後資金の資産形成の大きな部分になります。
住宅を資産形成と考えると特異な資産形成方法です。住宅ローンという借入金で資産を先に購入し、住宅ローンの返済という強制的な積立の仕組みで資産形成を行うからです。
「賃貸派か持ち家派か」という議論があります。持ち家派の人は、住宅ローンの返済という強制的な資産形成の仕組みを自らの意思でコミットしています。賃貸派の人は、住まいの自由度は広がりますが、退職後に家賃を払い続けるだけの金融資産を計画的に貯める必要があります。個人の価値観次第ですが、持ち家派優位な状況は続いています。
ローンの返済を資産形成と考えれば、この句の「あつ森」のように早く返済すれば、それだけ老後の資産形成に余裕ができます。
~コラム執筆者の紹介~
村井 幸博
第一生命経済研究所 研究理事
第一生命グループで内外債券、株式、デリバティブなど投資業務を長期にわたり担当、商品開発業務などにも携わる。
現在は第一生命経済研究所で金融リテラシー、資産形成・投資、金融ウェルビーイングなどのセミナー・研修を担当。
※「サラリーマン川柳」は2022年に「サラっと一句!わたしの川柳」に改名いたしました。
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