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【対談インタビュー】第一生命×GAIA お客さまの「一生涯のパートナー」になるために <後編>

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【対談インタビュー】第一生命×GAIA お客さまの「一生涯のパートナー」になるために <後編>

第一生命では“一生涯のパートナー”として従来の保障に加えて資産形成の面からもお客さまの「wellーbeing」に貢献することを目指しています。「資産形成プラス」では、資産形成に関連する各業界の代表的な存在の方々と対談を行い、コラムとしてお届けします。

第1回はIFA(※)業界のリーダー的存在として、顧客本位の中長期的なコンサルティングを実践されているGAIA株式会社の中桐代表取締役社長に、資産形成に対する考え方や顧客本位のコンサルティングについてお話を伺いました。(今回は前後編の後編)

※金融商品仲介業者として内閣総理大臣の登録を受けた事業者であり、銀行や証券会社をはじめとする特定の金融機関の営業方針から独立した立場で中立的に資産運用等のアドバイスを行う専門家のこと。

 

中桐啓貴 様(GAIA株式会社 代表取締役社長)

聞き手:

泉谷正彰(第一生命ホールディングス株式会社 資産形成・承継事業ユニット長)

若松康平(第一生命保険株式会社 資産形成・承継事業部長)

目次:

・お客さまにとっての対面アドバイスの価値とは

・お客さまと中長期的な関係を築くために

・IFA業界をけん引する存在としての想い

 

お客さまにとっての対面アドバイスの価値とは

若松:インターネットやYouTubeなどで簡単に情報を得られるようになったことで、資産形成を始めるハードルが低くなっているようにも思いますが、対面でのコンサルティングの重要性についてはどのような想いをお持ちでしょうか。

 

中桐:インターネットなどには色々なポジションで話す方がいます。たくさんの情報が溢れている分、時には正しい選択をすることが難しい場合もあります。責任を持って仕事としてやっている人と一緒にやっていくべきというのはありますよね。

 

また、健康に例えると、「健康にいい食事をしましょう」と雑誌で読んでもできる人はなかなかいないですよね。でも、信頼できる人にきちんとアドバイスをもらえば人間の行動は変わると思います。

 

若松:お客さまと信頼関係を築くにあたっては、いかにアドバイザーがお客さまのニーズをしっかりと把握できるか、つまり「聞く力」というのが重要だと思います。

 

中桐:そこが対面の一番大きな付加価値ですね。「この人だから話そう」と思ってもらえるかどうか。極端な話、家族よりも担当者の方が詳しいという状況になると長期的に関係を築けますよね。

 

ヒアリングにあたっては、きちんとそのお客さまの過去を紐解いていくことが重要です。そしてそこから深掘りをしていくことで、お客さまの価値観にまで触れることができれば、お客さまの方から色々な情報を開示してくれます。

 

氷山の例がよく例えられると思いますが、お客さまはぱっと水面上に出てくる部分を話すので、水面下の見えていない部分までいかに聞けるかというところが重要です。すでに顕在化している話だけ聞くというのは、これからはロボットとかAIがやっていくでしょう。水面下の本人も気付いていない部分を深掘りして聞き続けながら共感力を発揮できれば、お客さまも「この人だから話そう、相談しよう」という気持ちになります。

 

若松:本当のニーズはお客さま自身もちゃんと理解されてないケースもあるということですよね。

 

中桐:お客さまとの面談で一番いい面談というのは、終わった時に「今までそんなこと考えたことなかった」と思ってもらえる面談だと思います。

 

若松:資産形成で言うと、ゴールベースアプローチ(※)という手法がありますが、そういったところも意識されているのでしょうか。

※ お客さまやその家族の目標達成に向けた資産運用計画に基づき投資を実行し、継続的なレビューを通じてゴールまでの進捗確認を行っていく手法。

 

中桐:潜在ニーズやゴールをきちんと聞くことと、聞くだけではなくて「聞き続ける」ということが重要だと思います。ゴールを一旦聞いて提案して終わりではなくて、それを聞き続けながらライフプランやゴールの変化に合わせてフォローをしていくということですね。そこが今後、非常に重要な付加価値になると思います。

 

若松:保険会社である弊社も対面営業にこだわっていますが、これから資産形成領域にも取り組んでいきたいと考えています。中桐様としてはどのような印象を持たれますか?

 

中桐:保険は結婚などライフステージの変化に伴って加入を検討する方が多いですよね。保険会社はまずヒアリングをしてから提案するという文化があるので、ライフプランを確認した上で「老後の資金についてはこういう風に資産形成をやっていきましょう」という提案ができる。それは資産形成を始めるきっかけとしても有効だと思います。

 

泉谷:人による対面でのアドバイスには、まだまだポテンシャルがあると捉えていらっしゃるんですね。

 

中桐:そうですね。人間はそのニーズをどんどん深掘りすることができますがAIがそんなに簡単にできるとは思いません。ライフイベントや困り事があった時に、本人だけではなくご家族の状況まで理解し、勇気づけまで行うのは人間にしかできないことですよね。

 

お客さまと中長期的な関係を築くために

若松:GAIAは「二世代プライベートFP」を掲げられていますよね。二世代に着目したのはどんなきっかけや想いがあったのでしょうか。

 

中桐:資産運用はスタートしたときにすぐその価値が発揮されるものではありません。実際にお客さまが価値を感じるのは5年後、10年後、場合によってはそれ以上かかります。一人の担当者が長くお付き合いできるように、お客さまと長期的な関係を築きたいというコンセプトで「二世代プライベートFP」というサービスをつくっています。

 

加えて、2016年にコミッションベースからフィー(残高連動報酬)ベースにビジネスモデルを転換しました。フィーベース型にすることによって、お客さまの残高が増えると、私たちの収益も増えるという利益相反のない形になります。頻繁な売買をすることが私たちの目的ではありませんので、お客さまに寄り添って長期的なお付き合いができるように、いかにお互いWIN-WINな形でビジネスをしていくかを考えています。

 

若松:二世代という長期にわたって残高を増やしていくことが、担当者にとってもメリットとなるというのは本当に素晴らしいですよね。モチベーションも維持しやすそうだなと感じました。さらに言うと、世代を超えて資産承継が続いていくと事業としての継続性も高くなりますよね。

 

中桐:そうですね、何事も長期で考えないといけないと思っています。お客さまも最初はお一人でのスタートが多いですが、3年くらい経つとご夫婦一緒にであったり、お子様にも来てもらったりということもあります。家族にとってかかりつけ医のような、“お金のことだったらこの人に”という立ち位置になりたいですね。

 

若松:例えば共働きで一生懸命仕事をして、家も買って資産は貯まっていくけれど、計画的に貯めているというよりは貯まってしまっている状態というのはよくありますよね。他にも夫婦で投資をしていた場合、うまくいっているときはいいのですが、例えば資産が減ってしまったときにどうするのか揉めてしまうこともあると思います。

 

そういう意味で言うと、資産形成の知識があまりない方に対してプロである第三者がニーズを聞いて、計画を持ってお手伝いをするのはすごく重要だなと思いました。

 

中桐:特にご夫婦の場合ですと、当事者同士で問題を解決することは難しいですよね。私のお客さまでは、年に2回の定期面談を夫婦の考えをすり合わせる場として活用している方もいます。普段あまり資産についての話をせずお互いの考えを把握できていなくても、 アドバイザーのような第三者の前できちんと話すと、「お、そう思ってたんだ」といったようにだんだんとお互いに理解が進んでいきます。

 

若松:ずっと平行線だったものが担当者が入ることによってちゃんと整理されて、ご夫婦も含めて「これだ!」っていう解決策を見出せたら、ものすごい信頼感を勝ち取れるということですよね。

 

中桐:あらためて面談はすごく重要だと思います。普段聞かれたことがないことをきちんと話すような面談ができれば、お客さまには大きな価値を感じてもらえると思います。アメリカなどではよく「ファーストコールを受ける人になれ」と言いますが、なにかあったときにお客さまが一番最初に電話をかける存在にならないといけない、そんな存在を常に目指したいと思います。

 

IFA業界をけん引する存在としての想い

若松:中桐様は「一般社団法人 ファイナンシャルアドバイザー協会」の発起人ということで、強い意志を持ってこの業界を牽引されている存在だと思います。発足のきっかけや発起人としての想いをお聞かせいただければと思います。

 

中桐:IFAの数はこの5年で倍くらいになったのですが、人数でいうとまだ6000人くらいです。生命保険担当者の約100万人と比較すると規模としては全然小さいです。とはいえ、IFAができてから20年近くになりそれなりの規模になってきた中で、業界としてやらなくてはいけないこと、求められることもこれからどんどん増えてきますので業界団体のような協会を作っていろいろ整備をしていきたいと思いました。

 

具体的には、10人に満たないような少人数でやっている法人が非常に多いので、法人の規模に関わらずきちんと研修を受けられたり、横のネットワークを作ったり、情報共有をしながら切磋琢磨していける環境作りをしたいということです。

 

行政も協会に対していろんな形で情報発信をしてくれますので、行政とも連携をしながら業界全体を良くして、消費者の方にも信頼してもらえるように活動していきたいと思います。協会としてできることはいっぱいあると思っています。

 

泉谷:我々も保険会社として、アドバイザーを通じてお客さまのライフプランに最適な商品をアドバイスできる形を作っていきたいと思います。

 

中桐:相場によって変動する商品をお持ちいただくということは、丁寧なアドバイスは勿論のこと、長く寄り添うことが必要ですので、資産形成を始めたお客さまとの接点はどんどん増えていくでしょう。30年のデフレが終わってこれからインフレになった時に、全ての日本人がきちんと資産運用をしていかなければいけないという世界になると思っています。

 

私が若い方に伝えているのは、「資産運用も社会貢献ですよ」という話です。個人がきちんと投資をすることによって企業が発展していきますから、資産運用は自分だけが儲けるためにやるのではなくて、そのお金を使って社会問題を解決しているということでもあります。そのような考えが浸透すれば、投資はギャンブルといった考えも無くなっていくと思いますね。

 

若松:投資が少額であっても貢献してるっていうところは、社会の中での存在意義というのも感じられますよね。

 

 

キャリアの序盤から現在に至るまで、さまざまな想いやお考えを中桐様に語っていただきました。資産形成を行うにあたって大事な考え方をお話いただいただけでなく、IFA業界を代表する存在としてお客さまに寄り添う姿勢を強く感じた対談でした。

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