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資産形成

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【コラム】サラ川から資産形成・投資を学ぶ ≪第14回≫「バブル相場の歴史① 不動産バブル」

サラ川金融リテラシー

「一戸建 手が出る土地は 熊も出る」ヤドカリ (第4回 1990年)

第14回 「バブル相場の歴史① 不動産バブル」

【サラ川から資産形成・投資を学ぶ】

日経平均株価が最高値38,915円(1989年12月末)を更新したことが大きな話題です。今回の株価上昇がバブルかどうかはこれから歴史が証明しますが、これから4回のコラムで筆者が経験した株式バブルの歴史と教訓について書きたいと思います。

まず、1980年代後半から1990年代の不動産バブルと崩壊です。日経平均株価は、1985年末から89年末にかけ約3倍上昇し、その後約63%下落しました。

 

不動産バブル相場は、「日米の貿易不均衡を是正するためのプラザ合意(1985年9月)による急激な円高⇒円高不況を回避するための経済対策・金融緩和⇒景気の過熱・金余り」によって資産価格(特に不動産価格)が上昇したこと(その結果会社の土地含み益の大きな会社の株価が上昇)、加えて団塊世代(1947~1949年生まれ)を中心とした働き盛りの層(当時40歳前後)がけん引した企業・経済の成長、住宅など不動産購入が拍車をかけました。

その結果が、この句のような状況です。今では信じられないと思いますが、当時計算上日本の土地の時価総額が米国の土地の時価総額の約4倍と言われる異常な状況でした。それが普通に戻ったのがバブルの崩壊です。

バブルの崩壊は、「不動産バブル抑制のための不動産融資の総量規制・日銀の金融引締め⇒資産デフレ(不動産・株価の下落)⇒証券会社の損失補填問題や銀行の株・不動産関連融資の不良債権増大⇒株式需給の悪化・金融危機」という流れでした。

現在の中国は当時の日本のバブル崩壊と似ていると言われますが、現在の日本は、土地価格はそれほど上昇していませんし、企業業績の裏付けもある株価上昇なので当時とは異なるようです。

 

 

~コラム執筆者の紹介~

村井 幸博

第一生命経済研究所 研究理事

第一生命グループで内外債券、株式、デリバティブなど投資業務を長期にわたり担当、商品開発業務などにも携わる。

現在は第一生命経済研究所で金融リテラシー、資産形成・投資、金融ウェルビーイングなどのセミナー・研修を担当。

 

 

※「サラリーマン川柳」は2022年に「サラっと一句!わたしの川柳」に改名いたしました。

※作品の著作権はすべて第一生命に帰属しています。無断での転載、使用はご遠慮ください。

 

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