(掲載日:2025/10/31)
資産形成を始めるとき、「どうすれば失敗しないのか」と悩む人は多いでしょう。その答えの一つが「分散投資」です。これは、リスクを減らしながら安定した運用を目指すための基本的な考え方で、初心者からベテランまで幅広く実践されています。しかし、分散投資にも注意点があります。ここでは、分散投資のポイントを整理し、失敗しないためのコツをまとめます。
目次
1.分散投資とは?なぜ必要なのか
2.分散投資の方法と実践ステップ
3.初心者におすすめの分散投資の方法
4.分散投資の注意点
5.【年代別】分散投資のポートフォリオ例
6.まとめ:分散投資は初心者の鉄則!長期的な資産形成を目指そう
1.分散投資とは?なぜ必要なのか
投資を始めるとき、「どこにお金を入れればいいの?」と迷う人は多いでしょう。そんなときに役立つのが「分散投資」という考え方です。これは、リスクをコントロールしながら資産を増やすための基本ルール。ここでは、その意味と必要性をやさしく解説します。
分散投資の基本概念
分散投資とは、お金を一つの投資先に集中させず複数に分けて運用する方法です。どんな投資にもリスクがあるため、集中させると損失が大きくなる可能性があります。たとえば株式だけに投資していた場合、景気が悪化すれば大きな損失を受けるでしょう。一方、株式と債券、さらに不動産や金などの実物資産にも分けておけば、ある資産が下がっても他がカバーしてくれます。さらに、国内外の資産に投資することで、さらなる分散効果が期待できます。こうした仕組みが分散投資の強みです。初心者こそこの基本を押さえることが成功への第一歩です。
「卵を一つのかごに盛るな」の意味
投資の世界には「卵を一つのかごに盛るな」という有名な言葉があります。意味は、一か所に集中しないこと。集中投資は大きなリスクを抱えるからです。卵を一つのかごに全部入れて、そのかごを落としたら、卵は全部割れてしまいますよね。投資も同じで、一つの銘柄や資産に全額を入れると、その資産が下がったときに大損します。たとえば、ある企業の株に全財産を投じて、その企業が不祥事で株価暴落したらどうなるでしょう?分散投資なら、複数のかごに卵を分けるように、リスクを分散できます。このシンプルな教えは、投資の鉄則なのです。
リスクを減らす仕組み
分散投資は、投資のリスクを抑えるための方法です。異なる種類の資産は、同じタイミングで同じように動くとは限りません。たとえば、株価が下がる局面では、債券の価格が逆に上がることもあります。これは、株式と債券がそれぞれ異なる特徴を持っているためです。
さらに、株式や債券だけでなく、不動産や金などの実物資産にも投資することで、値動きの異なる資産を組み合わせることができ、全体のリスクを分散できます。
2.分散投資の方法と実践ステップ
分散投資といっても、やり方は一つではありません。資産の種類を分ける、地域を広げる、時間をずらすなど、いくつかの工夫があります。ここでは、初心者でも取り入れやすい4つの方法を紹介します。
方法1:資産クラスの分散(株式・債券・REITなど)
投資をするときは、株式だけでなく、債券や不動産投資信託(REIT)など、異なる種類の資産を組み合わせることが大切です。資産ごとに値動きの特徴が違っており、株式は景気に左右されやすく、債券は比較的安定、REITは不動産市場に連動します。こうした資産クラスの分散は、初心者でも簡単に始められる基本の方法です。
方法2:地域の分散(国内・海外)
投資先を日本国内だけに限定してしまうと、日本の景気や政策の影響を強く受けるリスクがあります。そこで、日本以外の地域にも分散して投資することが大切です。なぜなら、国や地域によって経済の動きが異なるためです。
たとえば、日本が景気低迷していても、アメリカや新興国が成長していれば、その利益で損失を補える可能性があります。具体的には、国内株式だけでなく米国株式や世界の債券などを組み合わせることで、値動きの異なる地域の資産を保有し、リスクを抑えられます。
地域を広げて投資することで、世界全体の成長の恩恵を受けられるのも大きな魅力です。初心者の方には、複数の国や地域に分散投資できる投資信託やインデックスファンドを活用するのがおすすめです。
方法3:時間の分散(積立投資・ドルコスト平均法)
時間の分散とは、一度に全ての資金を投資するのではなく、複数回にタイミングを分けて投資を行うことです。毎月一定額を積み立てる「ドルコスト平均法」を活用すれば、価格が高いときは購入量(口数)が少なくなり、価格が安いときは購入量(口数)が多くなるため、結果的に平均買付単価を抑える効果があります。積立投資は、初心者でも始めやすく、少額からできるのも魅力です。時間を味方につけることが投資におけるポイントです。
方法4:銘柄の分散(複数企業への投資)
投資でリスクを抑えるためには、銘柄を分散することが欠かせません。
一つの企業だけに資金を集中させると、その企業の業績やニュースに大きく左右されてしまうからです。
たとえば、特定の会社の株を全額購入していた場合、その会社が不祥事を起こすと株価は急落し、資産が大きく減ってしまうおそれがあります。
一方で、複数の企業に投資を分けていれば、一社が不調でも他の企業がカバーし、損失を軽減できます。
さらに、同じ株式でも業種を分けることでリスク分散の効果が高まります。IT・医療・食品など異なる分野に投資すれば、景気の変化にも強いポートフォリオを作ることができます。
初心者の方は、自分で複数の銘柄を選ばなくても、あらかじめ多くの企業に分散投資できる投資信託を利用すると手軽に始められます。
3.初心者におすすめの分散投資の方法
分散投資を始めたいけれど、「どの商品を選べばいいの?」と迷う人は多いでしょう。初心者にとって重要なのは、手間をかけずに分散効果を得られることです。ここでは、おすすめの方法を紹介します。
投資信託(インデックスファンド・バランス型ファンド)
投資信託は、初心者でも分散投資を始めやすい商品といえます。1つの商品で複数の株式や債券などに投資できる仕組みになっており、少額からでも幅広い資産に分散しやすい点が特徴です。
・インデックスファンド:市場全体の動きに連動するよう設計されており、低コストで幅広い分散が可能。長期投資に向いています。
・バランス型ファンド:株式・債券・不動産などを自動で組み合わせるため、初心者でも手軽に分散投資ができます。
長期的に運用する場合は、信託報酬などの手数料を確認して、できるだけコストの低い商品を選ぶのがポイントです。
ロボアドバイザー
ロボアドバイザーは、いくつかの質問に答えるだけで、自分のリスク許容度に合わせたポートフォリオを提案してくれるサービスです。
「資産形成プラス」にある「とうしのしさん」を活用すれば、6この質問に答えるだけで、初心者でも簡単に自分に合った運用タイプを診断できます。
運用タイプごとにおすすめの投資信託も確認できますので、ぜひ一度使ってみてください。
「とうしのしさん」はこちら

4.分散投資の注意点
分散投資はリスクを減らすための基本ですが、やり方を間違えると逆効果になることもあります。ここでは、初心者が気を付けるべき注意点をわかりやすく紹介します。
過度な分散は避ける
分散投資はリスクを減らすために有効ですが、分けすぎると管理が複雑になり、どこに投資しているか把握できなくなることもあります。また、多くの投資信託を持っていても、結局似たような銘柄が重なっている場合、分散の意味がありません。分散は「適度」がポイント。株式、債券、不動産、金など、性質の異なる資産をバランスよく組み合わせることが大切です。
自分のリスク許容度を把握する
分散投資を始める前に、自分がどれくらいのリスクを取れるかを知ることが大切です。リスク許容度は、年齢や収入、生活スタイルによって変わります。リスクを取りすぎると、相場が下がったときに不安になり、投資をやめてしまうこともあります。安心して続けるためには、自分に合ったバランスを見極めることが成功の鍵です。
定期的なリバランスが必要
分散投資は始めたら終わりではありません。時間が経つと株価や債券価格が変動し、当初のバランスが崩れます。そこで必要なのが「リバランス」です。一定期間ごとに資産配分を見直し、元の比率に戻すことで、リスクをコントロールできます。年に1回程度の見直しが目安です。リバランスは面倒に感じるかもしれませんが、長期的な安定運用には欠かせない作業です。
5.【年代別】分散投資のポートフォリオ例
年齢によって、取れるリスクや投資の目的は変わります。若い世代は「増やす」ことを重視し、年齢を重ねると「守る」ことが大切になります。ここでは、年代別におすすめの分散投資の考え方を紹介します。
20代~30代(積極型)
若い世代は時間を味方につけられるので、リスクを取って成長を狙う投資が向いています。長期運用できる期間が長く、多少の値下がりがあっても回復するチャンスがあるからです。たとえば、株式を中心に70%、債券20%、金10%という配分なら、成長性を重視しつつリスクもある程度分散できます。積立投資やインデックスファンドを活用すれば、少額から始められ、時間分散の効果も得られます。若いうちに積極的なポートフォリオを組むことは、将来の資産形成に大きな力になります。
40代~50代(バランス型)
この年代は、資産を増やしながら守ることも重要です。教育費や住宅ローンなど支出が多く、同時に老後資金の準備も始める必要があるからです。たとえば、株式50%、債券30%、金20%という配分なら、成長と安定のバランスが取れます。積立投資を続けながら、リスクを取りすぎないように調整することがポイントです。リバランスを定期的に行い、株式が増えすぎたら債券に移すなど、安定性を意識した運用が安心につながります。
60代以降(安定型)
退職後は、資産を守りながら必要な生活費を確保することが最優先です。収入源が限られ、損失を取り戻す時間がないからです。たとえば、債券や預金を中心に70%、株式20%、金10%という配分なら、安定性を重視しつつ、インフレ対策として少し株式を残すことができます。定期的な見直しで、リスク資産を減らしながら安全性を高めることが大切です。守りの投資でも、分散を意識すれば安心して長く資産を維持できます。
6.まとめ:分散投資は初心者の鉄則!長期的な資産形成を目指そう
分散投資はリスクを減らしながら資産を育てるための基本です。「卵を一つのかごに盛るな」という言葉の通り、集中投資は大きな損失につながる可能性があります。資産クラスや地域、時間を分けることで、安定した運用が可能になります。ただし、過度な分散には注意が必要です。自分のリスク許容度を把握し、定期的なリバランスを行うことで、長期的な資産形成を実現させましょう。
「資産形成プラス」にある「とうしのしさん」を活用すれば、初心者でも簡単に自分に合った運用タイプを診断できます。家計管理や資産寿命シミュレーションと組み合わせることで、将来の見える化も可能です。分散投資の基本を押さえ、シミュレーションツールも上手く使いながら、資産形成を行っていきましょう。
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