(掲載日:2025/11/18)
「投資を始めたいけれど、リスクがあると聞くと少し怖い…」そんな不安を抱く人は多いでしょう。投資におけるリスクとは 「リターンの振れ幅(不確実性)」のこと。正しく理解すれば、必要以上に恐れるものではありません。投資は、長い時間をかけてお金を育てていく行動です。大切なのは、リスクを避けることではなく、リスクと上手に付き合う知識を持つこと。この記事では、初心者でも安心して学べるように、投資に関わる主なリスクの種類や、その抑え方をわかりやすく解説します。「リスクを知ること」こそが、将来の安心につながる第一歩です。
目次
1.そもそもリスクとは?
2.投資で押さえておきたい6つの主なリスク
3.リスクを抑える3つの考え方
4.自分の「リスク許容度」を知ろう
5.まとめ:リスクを理解すれば、投資は怖くない
1.そもそもリスクとは?
「リスク」という言葉を聞くと、なんとなく怖いものだと感じる人が多いでしょう。一般的に「リスク」とは、「失敗したり損をしたりする可能性」という意味で使われます。
一方、投資の世界ではリスクとは「リターンの振れ幅(不確実性)」という意味であり、損をする可能性も得をする可能性も含めて、不確実であることを指します。
損をする可能性もあれば得をする可能性もある
投資で大切なのは、損をする可能性も得をする可能性も常に一緒にあるという点です。リスクが大きいほど、大きな損をする可能性が高まりますが、そのぶん大きな利益を得られる可能性も高まります。反対に、リスクが小さいと大きな損をする心配は減りますが、得られる利益も限定的になります。どの程度の変動なら安心できるか考えることが、投資の第一歩になります。
ローリスク・ハイリターンは原則として存在しない
「損をする可能性が低くて、もうかる投資があればいいのに」と思う人は多いでしょう。たとえば銀行預金はローリスクですが、金利が低いため大きな利益は望めません。一方で株式や投資信託は価格のブレが大きく、リスクを取るからこそ資産が増える可能性があります。つまり、「ローリスク・ハイリターン」は原則として存在しないのです。一時的にそう見える局面があっても、長い目で見ればリスクとリターンは必ず釣り合います。
2.投資で押さえておきたい6つの主なリスク
投資にはさまざまなリスクがありますが、どんな場合に投資商品の価格に影響を及ぼすのかを知っておくだけで、不安を減らすことができます。リスクを理解すれば、「なぜ価格変動があるのか」「どうすれば備えられるのか」が見えてくるからです。ここでは、代表的な6つの投資リスクを解説します。どれも避けるのではなく、うまく付き合うために知っておくことが大切です。
① 価格変動リスク
価格変動リスクとは、株式や投資信託の値段が日々変わることで資産価値が増減することを指します。例えば株価であれば、市場のニュースや、景気の変化などによって価格は動きます。長い目で見れば上がったり下がったりを繰り返すのは自然なこと。短期的な変動に左右されず、時間を味方につけて投資を続けることが大切です。
② 為替変動リスク
外貨建ての投資には、為替変動リスクがあります。これは、円とドルなどの通貨の交換レートが変わることで、資産価値が増減することを指します。たとえば、1ドル=100円のときの10ドルは1,000円ですが、円高で1ドル=90円になると900円に減ります。反対に円安になれば、円での金額は増えます。外国株式や外貨建債券などに投資する場合は、為替の動きを注視することが重要です。
③ 金利変動リスク
金利変動リスクとは、市場金利の変動により債券の価格が上下することを指します。固定利率の債券に投資する場合、満期まで保有した際のリターンは決まっていますが、途中で売却する場合は債券価格の変動の影響をうけることになります。今より高い金利の債券が新しく出ると、既存の債券の価値は下がります。反対に、金利が下がれば、過去の高金利債券の価値は上がります。つまり、金利と債券価格は逆方向に動く、シーソーのような関係です。債券に投資する際は金利の動きにも関心を持つこと必要です。
④ 信用リスク
信用リスクとは、投資の相手である企業や国などが、債務を履行できなくなる可能性のことです。会社が倒産したり、国の財政が不安定になったりすると、約束された利息や元本が支払われない場合があります。どれだけ安定した会社・国であっても、可能性はゼロではありません。だからこそ、投資先の信用度を確認することが大切です。一社や一国に集中せず、複数に分散投資することで、万が一の影響を小さくできます。
⑤ 流動性リスク
流動性リスクとは、すぐに売却できない、または希望する価格で売却できない状況を指します。たとえば、需要の低い銘柄や取引量の少ない商品は、買い手が見つからず、売却までに時間がかかることがあります。このような状態では、急な資金需要に対応できない可能性があります。流動性リスクを減らすには、日ごろから取引量が多く、信用度の高い商品を選ぶことが重要です。投資におけるリスクの中でも見落とされがちですが、いざという時に換金できるかどうかは、安心のために欠かせない視点です。
⑥ カントリーリスク
カントリーリスクとは、投資先の国の政治や経済の状況によって、資産価値や取引に影響が出る可能性を指します。政権交代や政策変更、経済危機、さらには地政学的リスク(紛争や制裁など)が起きると、株価や債券価格が大きく変動することもあります。複数の国に分散することで、こうしたリスクを軽減することができます。
3.リスクを抑える3つの考え方
投資にはリスクが伴いますが、正しく対処すれば過度に恐れる必要はありません。大切なのは、リスクを「なくす」のではなく、「うまく管理する」ことです。長期・分散・積立という3つの方法を取り入れることで、投資のリスクを効果的に抑えられます。ここでは、初心者でも取り入れやすい3つの方法を紹介します。
長期投資:時間を味方につける
投資のリスクを抑えるうえで効果的な方法の一つが、長期的に運用することです。短期間では価格の変動に影響されやすいですが、時間をかけることで価格変動の幅がならされ、平均的な成長に近づきます。たとえば株価は1年単位では大きく変動することがありますが、10年、20年と長期で見ると、全体的に成長する傾向があります。長期投資は「ゆっくり育てる」という考え方です。焦らず、時間を味方につけることで、リスクを軽減することができます。
分散投資:資産・地域・時間を分けて安定化
「卵を1つのかごに盛るな」ということわざが示すように、分散投資はリスクを減らす基本的な考え方です。投資先が偏ると、特定の市場や状況の変化で資産全体が大きな影響を受けやすくなります。資産の種類(株・債券・不動産など)、投資する地域、投資のタイミングを分散することで、リスクを抑えられます。たとえば日本株が下がっても、海外株や債券が損失を補う可能性があります。このように分散投資は、投資リスクを平均化し、安定した成長を目指すための重要な仕組みです。
積立投資:コツコツ続けて平均化する
積立投資とは、一定の金額を定期的に投資していく方法です。毎月コツコツと続けることで、価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことになり、結果的に購入価格が平均化されます。これは「ドルコスト平均法」と呼ばれ、リスクを軽減する効果があります。一度に大きなお金を動かさないため、心理的な負担が少なく、無理なく続けやすいのもメリットです。積立投資は、投資を習慣化しながらリスクを抑える、誰でも始めやすい方法です。
4.自分の「リスク許容度」を知ろう
どんなに良い投資方法でも、自分に合っていなければ続けることは難しくなります。そこで重要になるのが「リスク許容度」、つまりどのくらいのリスクまでなら安心して投資を続けられるかという感覚です。人それぞれの生活状況や目的によって最適なリスクの取り方は異なります。ここでは、自分に合ったリスクとリターンのバランスを見つけるための考え方を紹介します。
年齢・収入・目的から考えるリスクの取り方
リスク許容度は、人によって大きく違います。若い世代は時間を味方にできるため、多少の価格変動を受け入れやすく、リスクを取りやすい傾向があります。一方で、退職が近い世代や安定した収入を重視する人は、価格の変化が小さい商品を選ぶ方が安心です。
収入も重要な要素です。一般的に、収入が安定していて生活にある程度の余裕がある場合は、価格変動を受け入れやすく、比較的リスクを取りやすいと考えられます。反対に、収入が不安定な場合や生活費に余裕がない場合は、元本割れのリスクを避けるため、低リスクの商品を選ぶ方が安心につながるケースが多いです。
目的によってもリスクの取り方は異なります。「老後のため」「子どもの教育費のため」など、使う時期にあわせた運用が必要です。たとえば10年以上先に使うお金なら長期運用でリスクを取りやすく、数年以内に使う予定があるなら低リスクの投資が向いています。
ポイントは、年齢・収入・目的の3つの軸を意識すること。これが、自分に合った運用スタイルを見つける近道になります。
無理のない範囲で始めるのが成功の第一歩
投資を続けるうえでいちばん大切なのは、「無理をしないこと」です。どんなに魅力的に見える商品でも、不安を感じるほどの金額を投じてしまうと、価格変動があるたびに落ち着かなくなります。投資におけるリスクは、理解していても心理的な負担になることがあります。だからこそ、最初は少額から始め、自分がどの程度の変動に耐えられるかを体感するのが安心です。「このくらいなら続けられる」と感じられる範囲で投資を続けることこそが、結果的に長く成功する第一歩になります。
運用ロボアドサービスの活用
とはいえ、「自分のリスク許容度がどれくらいなのか分からない」と悩む方は多いのではないでしょうか。リスク許容度は、投資における重要な指標ですが、正しく把握するのは簡単ではありません。人それぞれの生活状況や目的など、さまざまな要素が絡むため、自己判断だけでは不安になりがちです。そんなときに頼りになるのが、運用ロボアドサービスです。専門知識がなくても、質問に答えるだけで自分に合った投資スタイルを診断できるため、初心者でも安心して資産形成の第一歩を踏み出せます。
資産形成プラスでは「とうしのしさん」という運用ロボアドサービスを提供しています。あなたのリスク許容度を診断し、その結果に基づいて最適な投資スタイルを提案する仕組みで、投資初心者でも簡単に利用できます。
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5.まとめ:リスクを理解すれば、投資は怖くない
投資におけるリスクとは「リターンの振れ幅(不確実性)」のこと。価格が動くのは、経済や社会が常に変化していることの表れです。リスクについて理解すれば、不安を小さくすることができます。大切なのは、リスクを避けることではなく、自分に合った範囲でコントロールすること。長期・分散・積立という3つの考え方を取り入れれば、リスクを抑えながら安定した資産形成が目指せます。「怖いからやらない」ではなく、「理解して上手に付き合う」ことが大切です。リスクを知ることこそが、投資を味方にする第一歩です。
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