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身の回りのお金の話シリーズ 第6回:「へそくり」が守るもの ― “こっそり” ではなく家計を壊さないためのお金だった ―(掲載日:2026/2/10)

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「へそくり」が守るもの ― “こっそり” ではなく家計を壊さないためのお金だった ―

 

掲載日:2026/2/10

 

急な出費が起きたとき、まず「何を削るか」を考えざるを得ない家計は少なくありません。

食費、レジャー、貯蓄…。

その場の判断で切り詰めることが、後から家計全体のバランスを崩してしまうこともあります。

こうした  “苦しい選択”  を避けるために、昔の人が持っていた知恵があります。

 

それが「へそくり」です。

 

「へそくり」と聞くと、家族に隠れてこっそりためるお金というイメージを持つ方が多いかもしれません。

けれど、本来のへそくりは後ろめたいものではなく、家計を守るための大切な備えでした。

 

「へそくり」の語源にはいくつか説があります。

 

ひとつは、江戸時代の女性たちが行っていた内職「綜麻(へそ)繰り」。

家事の合間に麻糸をつむいで得たわずかな収入を、生活費とは区別して手元に残していたことから、この名が生まれたといわれています。

 

また、帯や腹巻のあたりにお金をしまう習慣を  “へそ”  になぞらえ、「へそくり」と呼ぶようになったという説もあります。

 

いずれにしても共通しているのは、

へそくりが「日々の生活費とは別のお金」だったという点。

 

当時の暮らしは、病気、不作、災害など、予測できない出来事の連続でした。

「医療費」「修繕費」といった項目ごとの備えを用意する発想そのものが、現実的ではなかったのです。

だからこそ必要だったのが、

何かが起きても “何かを削らずに済む” ためのお金。

 

へそくりは、家計が揺れた瞬間に慌てて選択を迫られないよう、暮らしを守るためのクッションの役割を果たしていました。

つまりへそくりとは、お金を隠す工夫ではなく、

無理な決断をしなくて済むようにしておくための、ゆとりのお金だったのです。

 

では、今の家計はどうでしょうか。

 

急な出費があったとき、すぐに「どれを削るか」を探さずに済むお金は、どれくらいありますか?

 

もちろん、すべての支出や貯蓄に目的を持たせることは大切です。

しかし、それだけでは守りきれない場面もあります。

 

へそくりという言葉は古くなっても、

“家計を壊さないための余白をつくる”  という考え方は、今も変わらず必要なのかもしれません。

 

次回も、身の回りのお金の話から、暮らしに役立つヒントをお届けします。お楽しみに!

 

 

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