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ことわざ・格言でひらくお金の扉シリーズ  第6回:「木を見て森を見ず」 ―「ない袖は振れぬ」の次に考えたいこと― (掲載日:2026/2/12)

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「木を見て森を見ず」 ―「ない袖は振れぬ」の次に考えたいこと―

 

掲載日:2026/2/12

 

前回のコラムでは、「ない袖は振れぬ」ということわざを通して、

いまの家計の中で “動かせる支出” と “動かせない支出” を整理しました。

支出を仕分けてみると、

 

ここは簡単には削れない

ここなら調整できそう

 

という境目が、少しずつ見えてきます。しかし、仕分けをしても、なお苦しさが残る。

そんな感覚を覚えた方もいるかもしれません。

苦しさを感じると、多くの家計で次のような行動が行われます。

すでに “調整できる” と分かった支出を、

 

さらに細かく削る

何度も見直す

 

といったことを繰り返し始めるのです。けれど、どこを触っても楽にならない。

むしろ、何をしているのか分からなくなってくる…。

 

この状態こそが、まさに「木を見て森を見ず」 です。

 

家計で言えば、一本一本の支出が「木」で、

その支出をどう扱うかという、家計管理全体に対する考え方が「森」にあたります。

 

前回は「どの木が動くか」を見ました。今回はその木をどんな順番で扱うのかを考える回です。

ここで、一度視点を切り替えてみましょう。

 

「どこを削るか」を探す前に、「ここはこれ以上削らない」と先に決めてみるのです。

たとえば―

 

生活の質を大きく下げてしまう支出

あとから立て直しにくい支出

 

削り続けるほど、心や暮らしがすり減ってしまう部分を先に決め、守る費用として位置付ける。

すると、多くの人がこう感じるはずです。「それでも、足りない」―。

ただ、安心してください。この「足りない」という感覚は、失敗ではありません。

 

仕分けをし、削らない場所も決め、それでも足りない

これはつまり、細かい調整の段階をすでに終えたというサインなのです。

 

ここで初めて、家計の見直しは “別の対象” に移ります。

 

貯蓄ペースは今の暮らしに合っているか

固定費の前提を置き直せる余地はないか

一時的に「守り方」を変える選択肢はないか

 

これは、

一本一本の 「木」 の問題ではなく、

家計という 「森」 そのものの形を見直す話です。

 

「木を見て森を見ず」とは、節約が足りない状態を責める言葉ではありません。

仕分けを終えたあとも、同じ削り方だけを繰り返してしまう状態を指しています。

前回「ない袖は振れぬ」で現実を知ったなら、今回はその現実をどんな順番で扱うかを考える段階。

 

一本の支出に悩み続けているとき、それは “頑張りが足りないことを示す合図“ ではなく、

“考え方を切り替える合図” なのかもしれません。

 

次回も、暮らしに安心をプラスするヒントをお届けします。お楽しみに!

 

 

▼参考コラム

第5回:「ない袖は振れぬ」― “限りある家計” と上手に付き合うために―

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