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身の回りのお金の話シリーズ 第7回: 家庭は “最初の金融教育の場” ― 日常のやりとりが育てる金銭感覚 ―(掲載日:2026/2/17)

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家庭は “最初の金融教育の場” ― 日常のやりとりが育てる金銭感覚 ―

 

掲載日:2026/2/17

 

「はい、お駄賃」。

子どものころ、家の手伝いのあとに、こうしてお金を受け取った経験がある方もいるでしょう。

 

「駄賃」という言葉は、もともと駄馬の運送費を意味しました。

荷物を運ぶ労務に対して支払われる、れっきとした対価です。

それが「お駄賃」となると、わずかな謝礼を指す言葉になります。

本来は正当な労務の対価だった言葉が、家庭の中では  “ちょっとしたお礼”  を意味するようになった。

ここに、ひとつの変化があります。

 

お駄賃が “教育” かどうかは、簡単には言い切れません。

子どもがそのやりとりをどう受け止めているかは、年齢や家庭によって違います。

ただ少なくとも、「行動のあとにお金が動く」という経験が、家庭の中で起きていることは確かです。

 

重要なのは金額ではなく、その場でどんな言葉が交わされるかです。

 

「助かったよ」

「これだけ時間がかかったね」

「ありがとう」

 

理由が添えられれば、お金は単なる “ごほうび” ではなくなります。

誰かの役に立った結果として動いたものだ、と理解しやすくなります。

一方で、理由が曖昧なまま渡されれば、それは  “偶然手に入るお金”  に近づきます。

 

この違いは、大人になってからの行動にも表れます。

たとえば、ボーナスや臨時収入を「ごほうび」と感じるか、「対価の一部」と捉えるか。

ポイント還元を“得したお金”と見るか、支出の一部と見るか。

お金そのものは同じでも、意味づけが変わると扱い方が変わります。

 

家庭で交わされる日常のやりとりは、小さな経済活動です。

感謝があり、行動があり、その結果としてお金が動く。

それをどう説明するか、どう位置づけるか。

その積み重ねが、のちの金銭感覚に影響する可能性はあるでしょう。

 

家庭が必ずしも “金融教育の場” になるとは限りません。

しかし、家庭でのお金の扱い方が、その後の金銭との向き合い方に無関係とは言いにくい。

 

お駄賃という言葉の背後には、

「お金はなぜ動くのか」という問いが隠れています。

 

日々の小さなやりとりの中で、私たちはどんな説明を添えているでしょうか。

そこにこそ、将来の資産形成につながるヒントがあるのかもしれません。

 

次回も、身近にひそむお金の話をお届けします。どうぞお楽しみに!

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