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【コラム】サラ川から資産形成・投資を学ぶ ≪第11回≫「円安のメリットとデメリット」

サラ川金融リテラシー

「円安が 年金暮らしに 矢を放つ」釈迦の弟子 (第28回 2014年)

第11回  「円安のメリットとデメリット」

【サラ川から資産形成・投資を学ぶ】

「良い円安」「悪い円安」などと言われますが、皆さんは円安の恩恵を受けていますか?

 

円安のメリット・デメリットは、経済主体によって異なります。海外の売り上げ比率の高い企業の場合、円安によって海外で稼いだ外貨ベースの利益(=輸出および現地法人からの利益)は円に換算すると増加します。

また、円安で海外からの観光客・インバウンド消費の増加などによって恩恵を受ける企業もあります。これらの企業にとって円安は増益要因となり、株価も上昇しますし、従業員にとっても賃金上昇などの恩恵も期待できます。

更に、投資をしている個人は、株式や外貨建資産の値上がり益や円ベースの利息・配当金の増加という形で円安の恩恵を受けることになります。

 

しかし、その一方で一般の消費者にとっては、円安により円換算した輸入品の価格上昇、特に光熱費・食料費などの値上がりでデメリットが発生します。

この句の「年金暮らし」の人の場合、光熱費や食料費など生活必需品の割合が相対的に高いため生活感覚は厳しくなります(公的年金にはある程度インフレに連動する仕組みが組み込まれていますが、十分ではありません)。

一般的に円安は株高を伴うので好意的な見方が多いのですが、目指すべき姿は、企業の国際競争力向上による利益増加(=株高)と海外から投資マネーが日本に集まる「円高」です。成長戦略・資産運用立国が成功すれば、「良い円高」になるはずです。

 

~コラム執筆者の紹介~

村井 幸博

第一生命経済研究所 研究理事

第一生命グループで内外債券、株式、デリバティブなど投資業務を長期にわたり担当、商品開発業務などにも携わる。

現在は第一生命経済研究所で金融リテラシー、資産形成・投資、金融ウェルビーイングなどのセミナー・研修を担当。

 

 

※「サラリーマン川柳」は2022年に「サラっと一句!わたしの川柳」に改名いたしました。

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