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【対談インタビュー】第一生命×金融エディター 菊地敏明氏  さらなる資産形成の盛り上がりに向けて<前編>

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【対談インタビュー】第一生命×金融エディター 菊地敏明氏  さらなる資産形成の盛り上がりに向けて<前編>

第一生命では“一生涯のパートナー”として従来の保障に加えて資産形成の面からもお客さまの「wellーbeing」に貢献することを目指しています。「資産形成プラス」では、資産形成に関連する各業界の代表的な存在の方々と対談を行い、コラムとしてお届けします。

 

第5回は金融情報雑誌「Ma-Do」の編集に長年携わり、数多くの金融機関の取材を行ってきた金融エディターの菊地敏明様に、資産形成に対するお考えや足元の金融機関の取り組みなどについてお話を伺いました。(今回は前後編の前編)

 

菊地敏明様(株式会社想研 コンテンツ事業部 特任シニアエディター:写真中央)

聞き手:

泉谷正彰(第一生命ホールディングス株式会社 資産形成・承継事業ユニット長:同左)

若松康平(第一生命保険株式会社 資産形成・承継事業部長:同右)

 

目次:

・日本における資産形成に対する盛り上がりや金融業界について感じる変化

・自分にあった資産形成のスタイルとは?

 

・日本における資産形成に対する盛り上がりや金融業界について感じる変化

泉谷:菊地様の自己紹介も兼ねて、株式会社想研(以下、「想研」)で携わられてきたお仕事について教えていただけますか。

 

菊地:私は長年、金融機関向けの情報誌「Ma-Do」の編集に携わってきました。「Ma-Do」は想研が2005年に創刊した雑誌で、投資信託に関するさまざまな情報に加え、各金融機関のマーケティング事例やビジネスモデルの在り方などをテーマにしています。

2007年から参画し、長らく編集長を務めてきましたが、今年8月からは特任シニアエディターという立場で引き続き編集にかかわっています。

私はこの「Ma-Do」で数多くの金融機関に取材を行い、各社の企画部門はもちろん、多くの販売現場の皆さんのお話も伺ってきました。その間には、リーマンショックや金融庁による「顧客本位の業務運営に関する原則」の策定、コロナ禍など、金融機関にとってビジネスモデルの変化の転機となるような出来事も少なからずあったと改めて思います。

そのような変化を求められる中でも、使命感を持って取り組む金融機関の方々にも数多くお会いしてきました。

ですから、良い事例をしっかり掘り起こし、広く共有することで業界を活性化させたい、現場の課題解決に貢献したい、という想いで今なおこの仕事を続けています。

 

若松:ありがとうございます。今回の対談では豊富なご経験に基づいた資産形成や金融業界に関するお考えや想いなどについてお伺いしたいと思います。

ここ数年の金融業界や資産形成に関するトピックとして、政府が「資産所得倍増プラン」を打ち出しました。国が資産形成に対して積極的な姿勢を示している中で、我々もお客さまとの対話を通じて、今まで資産形成になじみのなかった方々も投資などに関心を持つようになったと感じています。

長年この業界を取材されてきたご経験を踏まえて、ここ最近の日本の状況についてどのように感じていますか。

 

菊地:皆さんと同じく、私も本当にここ数年で大きく変わったと感じています。先日たまたまテレビを見ていたら、「貯蓄の日」(10月17日)にちなんだ街頭インタビューの映像が流れていました。

その中で、20代くらいの若い方がさも当然のように、つみたてNISAを利用して資産形成を行っていると答えていました。これは10年くらい前には考えられなかったことですね。特に若い方を中心に、資産形成に対する意識や考え方が変わってきていると思います。

 

若松:金融機関側についても何か変化などを感じていることはありますか。

 

菊地:金融機関の動きも大きく変わってきたと思います。来年に新NISAの開始も控えている中で、各金融機関はお客さまの資産形成を支援する取り組みを強化しています。とりわけ地域金融機関はもともと地元経済への貢献を掲げていることもあり、足元では地域の次世代を支える取り組みと位置付けて資産形成のサポートに注力しているようですね。

また、近年は金融機関に対して「顧客本位」の姿勢がより強く求められるようになっています。そのような中で、各社のスタイルも変わってきていて、例えば、営業目標をなくすといった動きも出てきています。国、金融機関、そして国民が、より良い形で資産形成を進めるために動き始めたように感じますね。

 

泉谷:コロナ禍以降、ネットを活用して自ら投資を行う方が非常に増えたように感じています。こちらについてはどのようにお考えでしょうか。

 

菊地:おっしゃる通り、ネットで投資を始める方は急激に増えていて、そのきっかけの1つにコロナ禍があったように思います。コロナ禍という特殊な環境下で、多くの方が将来のことを真剣に考えるようになったことが影響しているのではないでしょうか。

さらにNISAやiDeCoのような制度が整備されてきたのに加え、株式市場もここ数年は概ね好調に推移してきました。そうした複数の要素が重なった中で、資産形成に主体的に動くようになった方々の受け皿としてネット証券などが機能したと考えています。

 

・自分にあった資産形成のスタイルとは?

若松:ネットを通じて自ら投資を行うことと、金融機関など対面の説明を受けてから投資をすることと、それぞれ利用シーンに違いはあるとお考えでしょうか。

 

菊地:資産形成に興味を持ち、投資についてある程度自分で調べられるような方は、ツールとしてネットを利用するのが良いのでしょう。一方で、まだ資産形成の重要性を実感していないという方、自信がなく人に教えてほしいという方は、金融機関の担当者など専門的な知識を持っている方の説明を受けてから投資を始めるのが良いと思いますね。

例えば、退職を機に初めて資産形成を考えるという方もいらっしゃると思います。ただ、それまでに資産形成に関する知識や経験がないと、自身のリスク許容度に見合わないような商品を選択してしまったり、詐欺まがいの話に飛びついてしまったりすることすらあるかもしれません。今はSNSなどで手軽に情報が得られるようになっている分、その取捨選択も重要で、情報がありすぎて逆に失敗してしまうという事例も散見されます。

このようなことにならないためには、早いうちから資産形成に対する知識を身につけられればそれに越したことはないものの、専門家にサポートしてもらうという選択肢もあっていいのではないでしょうか。

 

泉谷:確かに、簡単に情報を手に入れられるようになったからこそ、しっかりとその情報を選別することは大事ですね。我々も保険のご提案だけでなく、投資信託などを活用した資産形成を後押しするアドバイザーを育てて、お客さまにしっかりと資産形成についてご理解いただき、ご納得いただけるサービスを提供できるようにしていきたいと考えています。

 

菊地:そのようなコンサルティングができるアドバイザーが増えてくれば、資産形成を始める方もさらに増加するでしょうね。保険会社の方々は、もともとライフプランに基づいた提案というスタイルが根付いていますから、そのポテンシャルはあるように思います。

 

若松:ご提案の中でお客さまのライフプランを一緒に考えているときに、お客さまの関心が一番大きいのはやはり老後の生活資金をどう準備していくかという点です。今まではそのニーズに対してまずは預貯金の計画や個人年金保険のご提案を行い、万が一の場合に備えて保険にご加入いただくというのが生命保険会社のコンサルティングのスタイルでした。

本来は資産形成と保障は両面でご提案をするべきで、これから当社では資産形成のご提案も強化し、お客さまに感じていただく価値を高めていきたいと思います。

 

菊地:保険による保障と資産形成は、いわば裏表の関係にあると思いますから、併せて考えていくことは大切ですね。お客さまそれぞれのライフプランに合わせて、保障と資産形成を両面からサポートできれば、アドバイスの価値も高まるのではないでしょうか。

 

 

長年のご経験から菊地様が感じられている資産形成に関する人々の意識や金融機関の変化、資産形成に対するお考えをお話いただきました。後編では、少し広い視点から菊地様が考える資産形成の重要性や金融機関の役割についてお話いただきます。

 

 

【対談インタビュー】第一生命×金融エディター 菊地敏明氏 さらなる資産形成の盛り上がりに向けて<後編>

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