コラムに戻る
コラムに戻る
資産形成

資産形成

【対談インタビュー】第一生命×ファイナンシャルプランナー山中伸枝氏 心とお財布を幸せにする専門家 <後編>

資産形成投資ライフプラン老後生活老後2000万円問題

【対談インタビュー】第一生命×ファイナンシャルプランナー山中伸枝氏 心とお財布を幸せにする専門家 <後編>

第一生命では“一生涯のパートナー”として従来の保障に加えて資産形成の面からもお客さまの「wellーbeing」に貢献することを目指しています。「資産形成プラス」では、資産形成に関連する各業界の代表的な存在の方々と対談を行い、コラムとしてお届けします。

第3回は、一般社団法人公的保険アドバイザー協会の理事であり、ファイナンシャルプランナー(FP)として数多くのお客さまを支援し、FP同士の学びの場である「山中塾」も運営するなどFP業界を牽引されている株式会社アセット・アドバンテージ 山中伸枝代表取締役との対談です。FPの役割やお客さまに寄り添ったご案内をするために必要なことについてお話を伺いました。(今回は前後編の後編)

山中 伸枝 様(株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役:写真右)

聞き手:

泉谷 正彰(第一生命ホールディングス株式会社 資産形成・承継事業ユニット長:同左)

若松 康平(第一生命保険株式会社 資産形成・承継事業部長:同中央)

 

目次:

・お客さまの資産形成を支えるために必要なこと

・社会の変化と資産形成に関する関心の高まり

・お客さまに最良のサービスを届けるために

 

お客さまの資産形成を支えるために必要なこと

若松:弊社では保険に加えて資産形成・承継分野の取り組みを強化し、お客さまにさらに寄りそった商品・サービスを提供できる体制をつくっていこうとしています。

保険会社である弊社にとっては新たなチャレンジともいえるのですが、もしよろしければ山中様からアドバイスをいただけないでしょうか。

 

山中:「元気で長生きするけれども、インフレによってお金の価値が目減りしていく」というリスクに対して資産形成、資産運用で備えるということ、これはまさに保険機能ですよね。保険と資産形成はそこの親和性はあると思います。

お金を増やす、あるいはインフレに備えるための資産形成はどなたにとっても必要なことです。ただ、その思い描いているゴールや準備の仕方は人によって異なると思います。保険機能と資産形成を組み合わせる中で、お客さまのライフプランを丁寧にヒアリングし、それに寄り添った提案を行うことが重要だと思います。

私は公的保険アドバイザーなどの活動もしていますが、金融商品をお客さまにご提案するのであれば、最初に公的な保険、制度についてご説明するというスタンスに立つことが必要です。そこを整理したうえで、足りない部分を保険や資産形成商品で補う、備える、ということですね。

 

若松:「何が足りないですよ」という話の前に、お客さま自身が既に持っているものを整理したうえで丁寧にヒアリングすることが必要ということですね。

 

泉谷:弊社にはライフプラン全体を考えるための「生涯設計プラン」や資産の寿命を知ることができる「しさんのしさん」というシミュレーションツールがあります。このようなツールで具体的なイメージを持ってもらいながら、お客さまと一緒にライフプランを考えています。このようなツールを使うことについてはどのようにお考えでしょうか。

 

山中:大事な取り組みだと思います。しっかりと数字を示して具体的なイメージを持ってもらうことはライフプランを考えるうえでは重要です。

加えて、シミュレーションだけでなく、しっかり自分ごととして受け入れてもらうための工夫も必要です。たとえばお客さまご自身のねんきん定期便も使いながら、ライフプランをシミュレーションして、万が一のときの給付について分かりやすくお話をすること、などですね。

 

泉谷:いかに自分ごと化してもらうかということが重要ということですね。

 

山中:それと併せて、お客さまご自身の知識、理解を深めるというのは非常に大切です。

特に公的保険の給付額は年金加入歴によってお一人お一人異なりますし、制度はたびたび内容の変更があるため、お客さまご自身の状況をきちんと説明し、しっかりと理解されていなければ適切なライフプランニングはできません。

シミュレーションだけではカバーしきれない面もありますので、営業員もしっかり制度の内容についてフォローしておく必要はありますね。

 

若松:あらかじめ変わることが前提になっている制度もたくさんありますね。

 

山中:その通りですね。お客さまに寄り添うのであれば、営業員が「国の社会資源をどう理解して使っていくか、どう支えるか」というコアの部分を理解していくことが不可欠ですね。

社会の変化と資産形成に関する関心の高まり

泉谷:来年の1月に新NISAなど資産形成に関連する制度が大幅に拡充されていきますが、お客さまの関心は高まっていると感じますか。

 

山中:興味・関心は非常に広がっていると思います。やはり2019年の「老後2,000万円問題」や、その後コロナ禍となったことは、リーマンショック以上の影響力があったと思います。

リーマンショックの場合は主に投資をしている人だけが影響を受けましたが、「老後2,000万円問題」は多くの人が老後のお金を考えるようになるきっかけとなりました。さらに新型コロナの感染が拡大し仕事や生活にどのような影響が及ぶのか皆が不安になりました。これらを経て、お客さまの何かしなければという感覚は以前よりも強まっていると思います。

 

泉谷:資産形成の制度については、まだまだ理解されていない方は多いのでしょうか。

 

山中: NISAやiDeCoなどが登場しましたが、複雑な部分もあるので完全に理解している人はまだ少ないと思います。もう少し時間が必要ですね。

 

若松:このような制度の拡充はメディアも含めて多くの方が関心を寄せていますし、お客さまも投資を考え始めるきっかけになるのではないかと思います。

 

山中:6月から新NISAの成長投資枠に対応する商品ラインナップの公表が始まりました。やはり金融庁も資産形成の拡大を意識していて、それとともに金融機関の対応や姿勢が非常に問われていると思います。金融機関がいかにお客さまにわかりやすく伝えるか、ということも重要だと思いますね。

お客さまに最良のサービスを届けるために

若松:対談の締めくくりに、山中様が2016年から運営されている「山中塾」の創設背景と、これからについてお話しいただけますか。

 

山中:企業型DCの普及という視点で、もっと中小企業を中心に導入を促進する知識を持った人材が必要だと思ったことが創設の最初のきっかけです。

加えて、近年iDeCo+ができたり、iDeCoの加入資格が拡大したりと、変化する制度に対応するための知識を常にアップデートしていかなければならない状況となり、一人でそれを行うことに不安が出てきました。そこで、共に同じ道を歩める仲間がいたら心強いだろうなとも思いました。このようなことも理由ですね。

独立系のFPには金融機関の勤務経験がない方もいますし、明確に業界というものもなく、各FPが異なるビジネス形態を持っています。お客さまとの向き合い方も多様化しているので、それぞれの取り組みについて一緒に学んでいける場所にしたいと思い運営しています。スタート時から形は変わりましたが、最終的には山中塾を通じてメンバーが共に成長しあうことで、お客さまにとって最良のサービスを届けていきたいと強く思います。

今では本当に素晴らしい方々がたくさん集まり、それぞれから最先端の情報を学べます。なにより根っこの想いが一緒なので信頼できる、一緒に助け合える仲間ができたことが自分としては非常にうれしいことです。なので、私のためにあるような存在になっていますね。

 

若松:山中様は「私のため」とおっしゃいますが、きっと塾生の方も皆さんが「私のため」と思っていて、それぞれが自分のためになっているという感覚なのではないでしょうか。

 

山中:そうかもしれませんね。加えて、フリーランスのFPとして活動していく場合には、取引先などと何かあったときに対処法や交渉の仕方がわからないことも多いです。それがうまくいかないと挫けてしまい、続けられなくなってしまうこともあります。そういったところの悩みも「自分だったらこのようにしているよ」と共有しあっています。

 

若松:好事例やコアな部分だけでなく、様々な出来事を共有することによって、乗り越える力も強くなっていくのですね。

 

山中:そうですね。失敗事例もメンバー内で話し合ったりします。人間というのは同調するものなので、グループの雰囲気が良ければやはり自分自身も良い方向に変わっていきます。ですから、もし目指すものがあれば、自分のなりたい雰囲気のグループに入るというのが一番の近道だと思います。

 

若松:同じ方向を向いているメンバーが集まるとすごいエネルギーですし、同じ気持ちだからこそ気持ちよく前を向いて進めるというのは本当に素晴らしいことですよね。私も今日、山中様からたくさんエネルギーをいただきました。

 

山中:とんでもないです。お役に立てればうれしいです。

 

 

お客さま一人ひとりの人生を幸せにしたい、そのための選択をアシストしたいという山中様の志と、その場が明るくなり、聞き手もパワーをもらえる前向きなお人柄が印象的な対談でした。

 

 

関連コラム

もっと見る

PR