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身の回りのお金の話シリーズ 第9回: お金が “残る人” の習慣とは? ― 日常に潜む “仕組みづくり” のヒント ―(掲載日:2026/3/3)

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お金が “残る人” の習慣とは? ― 日常に潜む “仕組みづくり” のヒント ―

 

掲載日:2026/3/3

 

「同じくらいの収入なのに、どうしてあの人はお金が残るんだろう…」

身の回りの誰かを見て、ふとそんな疑問を抱いたことはありませんか?

 

性格や我慢強さ、収入の差が理由だと思われがちですが、実際にはもっとシンプルな仕組みが、家計に大きな差を生んでいます。

 

結論を言えば、

お金が残る人は「使う前に “貯める分” を先に分けている」

お金が残りにくい人は「使った後に、残った分で調整しようとしている」

ただそれだけの違いです。

 

これだけの違いなのに大きな差が生まれるのには、理由があります。

 

私たちは、使いながらお金を調整することがとても苦手です。

これは意志の弱さではなく、人間の脳の働きによるものです。

行動経済学では、人は“今の満足”を将来の利益より強く評価してしまう「現時点バイアス」を持つことが知られています。

そのため、急な誘いや小さな誘惑に、どうしても引っ張られやすいのです。

 

さらに、判断を重ねるほど集中力が低下する「意思決定疲れ」という性質もあります。

日々の支出を調整し続けることは、私たちが思う以上に負担の大きい行動なのです。

 

こうした性質を踏まえると、先に“貯める分”を取り分けておく仕組みは非常に合理的です。

残ったお金だけを使えばよい状態になり、日常の判断がぐっとシンプルになるからです。

 

これは、人が自然とお金を “用途ごとの箱” に分けて管理する「メンタルアカウンティング」という心理的な働きによるものでもあります。

仕組みとして先に確保しておけば、意志の力に頼らずとも続けられます。

 

お金が残る人は、この負担を日常から取り除く仕組みを作っています。

給料が入ったタイミングで、先に一定額を別にしておく、専用口座に移すなど、いわゆる「先取り貯蓄」という仕組みを家計に組み込んでいるのです。

こうして最初に取り分けてしまえば、家計管理の手間が大きく減り、自然に続けられる状態が整います。

 

対して、「目標だけを決めている」または「余ったら貯めよう」と考える方法では、どうしても継続が難しくなります。

日常には“想定外”が起こりやすいもの。たとえば、友人・同僚から急に誘われたり、予定が変わってタクシーを使うことになったり…。

そうした予期しない出費が重なると、“余り” はあっという間に消えてしまいます。

 

また、普段使う口座と貯めておく口座を分けるだけでも、「これは触らないお金だ」と意識できる仕組みが生まれます。

視界から外れたお金は使いにくくなり、衝動的な支出を防いでくれるのです。

 

始める金額は大きくなくて構いません。

月1,000円でも5,000円でも、「自動で確保される」仕組みがひとつあるだけで、家計の見え方が変わり、使うときの迷いが減り、心理的にも安定していきます。

 

大事なのは、性格や意志の強さではなく、日々の暮らしの中に、ほんの少しの仕組みを置くこと。

 

その小さな工夫が、気づけばあなたの未来の安心と資産形成につながっていくのです。

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