第17回 「大きな失敗を回避する」
【サラ川から資産形成・投資を学ぶ】
資産形成では、株式や外貨建て資産等マーケットで価格が変動する資産に投資します。とすると失敗(値下りによる損失)は必ずあります。
これは投資の専門家でも同じです。ポイントはバブル期のような「大きな失敗を回避する」ことです(この句のような大失敗も回避してください)。
バブル期の投資は、短期間に多額の資金を不動産や特定の株式などに集中して投資したため、大きな失敗となりました。バブル期は多くの人が投資しているから株価が上昇し、その時点では儲かっています。人間には欲があり、多数派になりたいので、投資を後追い的にする人がいます。
マーケットが過熱し、その後正常な状態に戻ろうとするとマーケットは暴落します。危険な時の逃げ足は速いので、急速かつ行き過ぎた値下がりにもなります。しかし、経済が正常にもどれば、株価も経済の実態に合った位置にもどります。
筆者は過去のバブルから、「長期・積立・分散」投資の大切さを学びました。まず、積立です。積立投資は、バブルの高値で大きく購入することはなく、バブル崩壊時で多くの人が購入していない安値でも着実に購入するので、大きな失敗(損失)が発生する確率を低くできます。
次が、長期投資です。バブルが崩壊して世の中が悲観一色になっても永遠に株価が下落することはありません。だからマーケットの一時的な変動に惑わされずに長期で投資する姿勢が重要なのです。 そして、分散投資です。いくら成長企業であってもそこに集中して投資することは大きなリスクを伴うということです。
ただ、「長期・積立・分散」投資の力を確信するまでに多くの時間と失敗の経験も必要でした。
~コラム執筆者の紹介~
村井 幸博
第一生命経済研究所 研究理事
第一生命グループで内外債券、株式、デリバティブなど投資業務を長期にわたり担当、商品開発業務などにも携わる。
現在は第一生命経済研究所で金融リテラシー、資産形成・投資、金融ウェルビーイングなどのセミナー・研修を担当。
※「サラリーマン川柳」は2022年に「サラっと一句!わたしの川柳」に改名いたしました。
※作品の著作権はすべて第一生命に帰属しています。無断での転載、使用はご遠慮ください。
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