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資産形成

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健康リスクを踏まえた資産形成 第1回:働ける期間をどう見積もるか (掲載日:2026/3/9)

健康リスクを踏まえた資産形成生活防衛資金家計管理資産形成

働ける期間をどう見積もるか

 

掲載日:2026/3/9

 

資産形成の説明では、「何年運用するか」という言葉がよく使われます。
たとえば「30年運用すれば複利の効果が大きくなる」といった説明です。
しかし、その前提として考える必要があるのは、運用期間ではなく、収入が続く期間です。
多くの人にとって、資産形成の原資は給与収入です。
積み立てを続けることができるのも、収入があるからです。

つまり資産形成は、
・いつから投資を始めるか
だけでなく
・いつまで収入が続くか
という前提に支えられています。

この期間は、一般的には「定年まで」と考えられがちです。
しかし、実際には必ずしも予定どおりに働き続けられるとは限りません。
ここで参考になるのが、総務省統計局の「労働力調査」です。

労働力調査では、仕事を持っている人のうち、調査週に仕事を休んでいた人を「休業者」として集計しています。
休業者とは、仕事を持っているものの、病気やけが、育児、介護、天候、会社都合などの理由で一時的に仕事を休んでいる人を指します。
つまり、「働いている人」の中にも、一定の割合で仕事を休まざるを得ない状態の人が存在することがわかります。
実際に、労働力調査では毎月数百万人規模の休業者が確認されています。(最新データ

もちろん、調査事例のすべてが長期間働けなくなるケースではありません。
ただし、この統計が示しているのは、働いている人であっても、体調や生活環境の変化によって仕事を休む期間が生じることは決して珍しくないという事実です。

資産形成の計画では、将来の収入が一定であることを前提に考えてしまいがちです。
しかし実際には、
・病気やけが
・体調の変化
・家族の事情
などによって、働き方や収入が変わる可能性があります。
こうした現実を踏まえると、資産形成の計画も少し見え方が変わります。
「何歳まで投資を続けるか」だけではなく、
「収入が変化する可能性をどう見込むか」も、計画の一部になるからです。

資産形成は、制度や商品を選ぶことだけで決まるものではありません。
収入が続く期間をどう考えるかによって、その設計は大きく変わります。

では、もし収入が一時的に途切れた場合、家計はどのように備えておけばよいのでしょうか。
次回は、こうした状況も想定しながら、生活防衛資金の考え方について整理していきます。

 

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