第3回 「いつから、いくら公的年金をもらえるかご存じですか?」
【サラ川から資産形成・投資を学ぶ】
50代の人で公的年金の支給開始時期(現在50代の場合は女性の一部を除き原則65歳)を知らない人が51%、受け取れる金額を知らない人が63%います(金融広報中央委員会「金融リテラシー調査2022年」)。長寿の時代に頼りになるのは終身で受け取れる公的年金ですが、これが現実です。皆さんは毎年の「ねんきん定期便」で年金額を確認していますか。
2023年度の国民年金(老齢基礎年金(満額))は月額約6.6万円、モデル世帯の年金(夫婦2人の老齢基礎年金満額と夫の厚生年金)は月額22.4万円です。公的年金だけで「悠々」は困難です。因みに2004年のモデル世帯の年金額は月額23.3万円で現在よりも多い一方、物価は今より約6%低く、年金開始年齢も60歳でした。この句の気持ちが少し理解いただけると思います。
しかもこの公的年金は今後実質減少が見込まれます。2019年の公的年金の財政検証では、経済が最も好調なシナリオでも、所得代替率※は、2019年約62%が2046年約52%に低下する見込みです。賃金上昇・インフレの前提なので年金額は増加しますが、現役世代との格差が拡大します。つまり、生活感覚は厳しくなる見込みです、だから、さらなる「窮々」を避けるためにも自助努力で資産形成が必要なのです。
※所得代替率は、年金を受け取り始める時点(65歳)における年金額が、現役世代の手取り収入額(ボーナス込み)と比較してどのくらいの割合か、を示すもの
~コラム執筆者の紹介~
村井 幸博
第一生命経済研究所 研究理事
第一生命グループで内外債券、株式、デリバティブなど投資業務を長期にわたり担当、商品開発業務などにも携わる。
現在は第一生命経済研究所で金融リテラシー、資産形成・投資、金融ウェルビーイングなどのセミナー・研修を担当。
※「サラリーマン川柳」は2022年に「サラっと一句!わたしの川柳」に改名いたしました。
※作品の著作権はすべて第一生命に帰属しています。無断での転載、使用はご遠慮ください。
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