コラムに戻る
コラムに戻る
資産形成

資産形成

【対談インタビュー】第一生命×ファイナンシャルスタンダード お客さまの人生に必要な存在を目指して<後編>

資産形成投資ライフプラン老後生活老後2000万円問題

【対談インタビュー】第一生命×ファイナンシャルスタンダード お客さまの人生に必要な存在を目指して<後編>

第一生命では“一生涯のパートナー”として従来の保障に加えて資産形成の面からもお客さまの「wellーbeing」に貢献することを目指しています。「資産形成プラス」では、資産形成に関連する各業界の代表的な存在の方々と対談を行い、コラムとしてお届けします。

第2回はIFA(※)業界において代表的な存在のファイナンシャルスタンダード株式会社の福田代表取締役社長に、お客さま目線でのアドバイザーの介在価値や、資産運用を考えるうえで重要なことについてお話を伺いました。(今回は前後編の後編)

※Independent Financial Advisorの略で金融商品仲介業者として内閣総理大臣の登録を受けた事業者であり、銀行や証券会社をはじめとする特定の金融機関の営業方針から独立した立場で資産運用等のアドバイスを行う専門家のこと。

 

福田猛 様(ファイナンシャルスタンダード株式会社 代表取締役社長:写真中央)

聞き手:

泉谷正彰(第一生命ホールディングス株式会社 資産形成・承継事業ユニット長:同左)

若松康平(第一生命保険株式会社 資産形成・承継事業部長:同右)

 

目次:

・社会の変化に伴うお客さまの変化は?

・長期運用を続けるポイントは「忘れること」

・対面で資産運用をサポートすることの重要性

・ファイナンシャル・アドバイザー協会理事としての業界に対する想い

 

社会の変化に伴うお客さまの変化は?

若松:現在、老後2,000万円問題や政府から「資産所得倍増プラン」が打ち出されるなど資産形成に対する社会の関心は高まっています。このような中でお客さまの変化などは感じますか?

 

福田:会社がスタートして今11年ですが、大きく様変わりしていますね。

創業当初はNISAやiDeCoという存在はなかったですが、つみたてNISAやiDeCoといった新しい制度が始まると、やってみようかなと思われる方が増えるんです。また、2019年には「老後2,000万円問題」がクローズアップされましたが、メディアで多くの報道があるとそれとともに問題意識を持たれる方も増えます。足元で初めて投資をする方がどんどん増えている印象です。

2024年から新NISAが始まりますが、これはものすごくインパクトのあることなので、同じように新たにやりたいという方がかなり増えるのではないかと思います。「最悪失敗してもいいから運用してみよう」といった余剰資金ではなく、コアな資金を使う方にライフプランに当てはめた長期的な運用をしっかりと提案していく、このようなサポートができるようになるのが重要だと思います。

 

長期運用を続けるポイントは「忘れること」

福田:私は常々資産運用を空気のようにしないといけないと思っています。同じ金融商品でも保険に加入されている方が「保険に入っている」ということを普段意識することはないですよね。資産運用においても、普段は忘れていていざというときに自分を守ってくれる、それが重要だと思っています。社会情勢のニュースを見て、ちょっとこれは危ないんじゃないかと売ったり買ったりしていると絶対続きません。忘れているくらいで運用するのが良いと思っています。

 

泉谷: FS社のお客さまは日々の相場で売買をすることはあまり多くないということでしょうか。

 

福田: 一切やらないです。長期的な運用は、たとえば「時間分散」や「ドル・コスト平均法」などをずっと行っていくものですから、それを最初にしっかりと説明をして理解してもらいます。それでも途中で相場は気になりますから、現状の説明や長期的に続けることの重要性を丁寧に話し続けます。

基本的に相場の話はしません。「これからどうなるんだろう」と聞かれはしますが、「世の中ではこのように言われてますよね。でもそれは、そうなるかもしれないし、ならないかもしれないので分かりませんよ。でも運用は続けるんですよ」という話に徹しています。そうするとお客さまもそのうち「まあ、関係ないんだよね」という考えに変わっていきます。

 

泉谷:そういった時間分散のお話をされるということは、FS社がまずお勧めするのは、やはり先進国株がポートフォリオの中心になるような長期の積立投資が多いということですか。

 

福田:そうですね、運用の目的ごとに分けています。たとえば現役世代は、ほとんどの方が中長期的に資産を拡大させることを目的にされます。その場合は世界株に投資をしていくのが鉄則です。給与の一部を貯蓄にまわしている方が多いですから、時間分散でさらに積立投資をするという形が必然的になっていきます。

一方でシニア世代の方になると、年金生活をされていることが多いです。そうすると資産を拡大していくというよりも、手元資産を有効に活用して定期収入がちゃんと入ってくるようなニーズに変わってくるので、それに合った金融商品や手段を提案していきます。

 

泉谷:取り崩し型の投資信託や年金のような商品をお勧めされるということですね。

 

福田:そうですね。取り崩したり、利息や配当が入ってくるものなど、受取型のところを重視していきます。運用しながら受け取っていくというようなイメージですね。

対面で資産運用サポートすることの重要性

泉谷:FS社はセミナー開催を行うなど、現役世代を含む多くのお客さまに資産形成の重要性を伝えられていらっしゃいますが、それに対する福田社長の想いをお聞かせください。

 

福田:少子高齢化、現役世代の方の給料が上がらないなど様々なことが言われています。そのような中でも現役世代が将来のことを含めて安心して生活できる、先を見通せる状態にならないと、やはり未来は明るくないですよね。そのときに金融業界が現役世代に対して果たせる役割はものすごく大きいと思っていて、しっかりサポートできるようにしていく必要があると考えています。

ただ、そのような中で、誰がそれをやるかとなったときには、保険会社が主役になる世界もあるだろうと思っています。保険会社はすでに保険ビジネス自体が確立されていて、サポートもしっかりされていますよね。それにプラスして、投信の積み立てなどをプラスで提供されていくと、現役世代の方がしっかりサポートを受けることができる状況になっていくと思います。

 

若松:ありがとうございます。まさに第一生命がやりたいこととなります。背中を押す役割として、弊社の保険を提案しているチャネルでいろいろとお客さまをサポートできたらというふうに思っています。

 

福田:やはり経験が少ない方はネットだけでは分からないことがたくさん出てくるので、対面でサポートしてほしい方が顕在的にも潜在的にも非常に多いと思うんです。そのため、第一生命がそういう方に果たす役割というのは非常に大きいと思います。

 

資産運用は直感的に考えると「やらない」という選択肢になると常々考えています。人間の脳というのは本来、危険に対する敏感さが非常に強い=損失回避バイアスというのが非常に強いと思っているんです。

ではなぜ運用をやる必要があるのか、どういうやり方があるのかについてしっかり知識を得ると、直感ではなく理性で判断できるようになります。このようにしないと資産運用が長期で続かず上手くいきません。なので、我々のような存在がしっかりと知識を提供することが極めて重要だと思うんです。

 

たとえば我々はセミナーなどを開催しますが、セミナーに参加する方はある程度主体的に情報を集める人ですよね。こういう方々は自ら情報を収集していくので知識もどんどん増えていきますが、世の中のほとんどの人は資産運用の知識を積極的に取りにいかないと思います。そのような方々に対して、たとえば第一生命のように対面で、担当の方々がお客さまとの普段の会話の中で資産運用の必要性を啓もうすることや情報提供をされることが大事になると思います。

 

若松:なるほど。まさに対面で正しく知識を伝える、お客さまに分かっていただき、ご判断いただけるレベルまでしっかりとご説明するというようなところが対面のメリットということなんですね。

 

福田:そうですね。そう思います。

 

泉谷:物価上昇や円安が続く現状では、実質的な所得がかなり落ちていってしまう局面にあると思っています。しかし、日本人は伝統的にリスクを避け、投資に対して慎重な方も多いように思います。こういう方が投資の第一歩を踏み出すときにはどのようなご説明をされることが多いのでしょうか。

 

福田:足元のような物価上昇などが続く局面においては資産運用の重要性はさらに増していますが、投資に対して慎重な方も一定数いらっしゃいます。そのような方に対しては、私たちは「世界株に分散投資をする意味」「なぜ世界株が中長期的に上昇しているのか」「ドル・コスト平均法」「時間分散の考え方」などの説明をなるべく分かりやすく、しっかりお伝えするようにしています。ここの理解ができればじゃあやってみようかなという方は増えてくると思うんです。

いろいろ私も研究したのですが、日本人だけでなく本質的に人間はみんなリスクを取りたくないんですよね。

 

ただ、日本はデフレが長くてインフレの経験が短いですが、アメリカなどは長期的にずっとインフレしている。そういう国とは感覚が違う部分が恐らくあると思うんです。だからこそ日本人には、よりしっかりと資産運用の必要性を啓蒙していかないといけないと考えています。

ファイナンシャル・アドバイザー協会理事としての業界に対する想い

若松:最後に、福田社長はファイナンシャル・アドバイザー協会の理事も務めておられますが、業界全体を牽引されていく存在として、今後の業界の展望や理想のIFA像についてお話しいただければと思います。

 

福田:ファイナンシャル・アドバイザーはお客さまの人生に深く関わっていく仕事なので、長期的にサポートしていく仕組みや構造を持っておく必要があると思っています。ビジネスとしても、持続可能なビジネスモデルをしっかり構築していかないといけません。

 

現状日本はまだ、この長期の資産運用をサポートするということに対して経験が浅すぎるというか、ほぼないと思うんです。そういう意味では、私どもはこの分野で先に経験をさせてもらっている部分はあります。その分いろいろ失敗もしてきているわけなので、そういった知見や経験したことを生かしていただけるように情報発信をしたり、必要なことを導入できるように動きたいですね。1人でも多く長期的な資産運用をサポートする人たちの裾野が広がっていくように活動していきたいと思っています。

 

 

長期運用やお客さま目線にたった丁寧な説明の重要性、業界に対する想いなど、私たちの安心できる未来をつくりたいという福田社長の想いを強く感じる対談でした。

関連コラム

もっと見る

PR