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利上げとは? ―利上げで資産形成はどう変わる?利上げが与えるさまざまな影響を考える―(掲載日:2026/9/11)

利上げ金利資産形成

掲載日: 206/9/11

 

最近、「利上げ」という言葉をニュースで目にする機会が増えています。

「なんとなく難しそう」「自分にはあまり関係ない」と感じている方もいるかもしれません。

しかし、利上げは預金や住宅ローン、投資など、私たちのお金と深く関係しています。

 

今回は、利上げの基本と資産形成への影響について、わかりやすく解説します。

 

1.そもそも「利上げ」とは?

 

利上げとは、日本銀行が政策金利を引き上げることです。

 

政策金利は、金融機関同士がお金を貸し借りする際の基準となる金利で、いわば世の中の金利の出発点です。この金利が上がると、銀行の預金金利や住宅ローン金利など、私たちの身近な金融サービスにも影響が広がっていきます。

 

では、なぜ利上げが行われるのでしょうか。

 

一般的に、景気が良くなり、お金を使う人や企業が増えると、モノやサービスの価格が上昇しやすくなります。

適度な物価上昇は経済にとって自然なことですが、急激に物価が上がると家計への負担が大きくなります。

 

そこで日本銀行は金利を引き上げ、お金を借りにくくすることで消費や投資の過熱を抑え、物価の上昇ペースを調整しようとします。これが利上げの主な目的です。

 

例えば、自動車を運転するときにスピードが出すぎたらブレーキをかけるように、利上げは経済の過熱を抑えるための調整役といえるでしょう。

 

その結果、預金金利は上がりやすくなりますが、住宅ローンなどの借入金利も上昇しやすくなります。

そのため、資産形成を考える際には、「預金」「借入」「資産運用」を含めて総合的に考えることが大切です。

 

2.預金にはどんな影響がある?

 

利上げによる影響として、最も身近なのが預金金利の上昇です。

 

銀行は、私たちから預かったお金を企業や個人への融資などに活用しています。利上げによって銀行が運用で得られる収益が増えやすくなるため、預金者に支払う利息も引き上げやすくなります。

 

これまで日本では長く低金利が続いていたため、「預金してもほとんど増えない」という状況が一般的でした。しかし、利上げによって預金金利が見直される動きが広がっています。

 

例えば、100万円を預金している場合、金利が0.001%なら年間の利息は10円ですが、金利が上昇して0.4%になれば、受け取れる利息も4,000円になります。

預けているだけで受け取れるお金が増えることは、預金者にとってプラスの変化といえるでしょう。

 

また、利上げ局面では銀行ごとの金利差にも注目が集まります。同じ金額を預けていても、金融機関によって受け取れる利息が異なる場合があるため、預金先を見直すきっかけにもなります。

 

ただし、預金金利が上がったからといって、預金だけで資産形成が十分とは限りません。

例えば、物価が年2%上昇しているなかで預金金利が0.4%だった場合、お金は増えていても、実質的な購買力は低下していることになります。

 

そのため、利上げによる恩恵を受けつつも、「生活防衛資金としての預金」と「将来に向けた資産形成」を分けて考えることが大切です。

 

3.借入にはどんな影響がある?

 

利上げによって影響を受けるのは、預金や投資だけではありません。住宅ローンや自動車ローンなど、借入にも影響が及びます。

 

一般的に、金利が上がるとお金を借りる際のコストも高くなります。特に、変動金利型の住宅ローンを利用している場合は、将来的に適用金利が上昇し、返済額が増える可能性があります。

 

例えば、同じ借入額であっても金利が上がれば、支払う利息の総額は大きくなります。

そのため、住宅ローンを返済中の方や、これから住宅購入を検討している方は、金利動向に関心を持っておくことが大切です。

 

一方で、固定金利型のローンの場合は、借入時に決まった金利が返済期間中継続されるため、利上げの影響をすぐに受けることはありません。

 

利上げのニュースを目にしたら、住宅ローンの契約内容や毎月の返済状況を確認する機会と考えるとよいでしょう。

 

4.資産運用にはどんな影響がある?

 

利上げは預金だけでなく、株式や投資信託などの資産運用にも影響を与えます。

 

一般的に、利上げが行われると企業はお金を借りる際の負担が大きくなります。

例えば、新しい工場を建設したり設備投資を行ったりするときの借入コストが増えるため、企業の利益に影響する可能性があります。そのため、利上げ局面ではそうした企業の株価が下落する場面も見られます。

 

逆に利上げでプラスの影響を受ける企業もあります。

銀行は、預金金利と貸出金利の差によって利益を得ています。そのため、利上げによって収益環境が改善することがあります。保険会社も、集めた資金を債券などで運用しているため、金利上昇がプラスに働くケースがあります。

 

つまり、利上げ局面では業種・企業によって明暗が分かれることもあるのです。

 

また、資産運用への影響は株式だけではありません。投資信託の組入資産としても活用される債券は、金利との関係が深く、利上げの影響を受けやすい金融用品の一つです。

 

投資の世界では、「債券価格と金利は逆に動く」という関係があります。

 

例えば、利率1%の債券を持っているときに、新たに利率2%の債券が発行されたら、多くの人は条件の良い2%の債券を選びます。その結果、既存の利率1%の債券の価値は下がります。

このように、一般的には利上げ局面で債券価格は下落しやすい傾向があります。

 

5.積立投資なら過度に心配する必要はない

 

資産形成を目的に長期の積立投資を行っている場合は、利上げのニュースが出たからといって、すぐに運用方法を変える必要はありません。

 

利上げによって一時的に市場が値下がりすることはありますが、積立投資は価格が高いときも安いときも継続して購入する仕組みです。

むしろ価格が下がった局面では、同じ金額でより多くの口数や株数を購入できる場合があります。

 

6.資産形成で大切なのは「金利」よりも「目的」

 

利上げ局面では市場環境が変化するため、不安な気持ちになることもあるでしょう。

 

しかし、資産形成の目的が老後資金や教育資金など10年、20年先にあるのであれば、短期的な金利変動よりも、

・長期で続けること

・分散して投資すること

・自分のリスク許容度に合った商品を選ぶこと

のほうが重要です。

 

利上げは投資環境を変える要因の一つですが、資産形成の基本まで変えるものではありません。ニュースに一喜一憂するのではなく、自分の資産配分や運用目的を改めて確認する機会として捉えることが大切です。

 

7.金利が動く時こそ、お金を「分けて」考えよう

 

利上げのニュースを聞くと、「預金を増やした方がいいのかな」「投資はやめた方がいいのかな」と考える方もいるかもしれません。

 

しかし、資産形成で大切なのは、預金か投資かの二択で考えることではありません。まずは、お金の役割ごとに分けて考えることが重要です。

 

例えば、お金には次のような役割があります。

 

① いつでも使える「備えるお金」

 

病気やケガ、家電の故障など、急な出費に備えるためのお金です。

 

このお金は元本割れのリスクを避けたいので、普通預金や定期預金などで管理するのが一般的です。

利上げによって預金金利が上昇すれば、この「備えるお金」はこれまでよりも少し有利な環境で保有できるようになります。

 

② 数年以内に使う「予定のあるお金」

 

住宅購入の頭金や車の購入資金、子どもの進学費用など、使う時期が比較的明確なお金です。

 

使う時期が近い場合は、大きな値動きのある商品に投資するよりも、安全性を重視した管理が適している場合があります。

利上げ局面では、預金や債券などの選択肢も含めて、自分に合った管理方法を考えることが大切です。

 

③ 将来に向けて「育てるお金」

 

老後資金など、10年後、20年後を見据えたお金です。

 

このような長期の資金は、預金だけでは物価上昇に対応しにくい場合があります。そのため、投資信託や株式などを活用しながら、時間を味方につけて増やしていくという考え方があります。

利上げによって市場が変動することはありますが、長期の資産形成においては、短期的な金利変動よりも継続して積み立てることの方が重要といえるでしょう。

 

8.利上げを資産配分の確認に活かそう

 

利上げは、「預金を選ぶか、投資を選ぶか」を考える機会であるとともに、自分のお金の置き場所が目的に合っているかを確認する機会でもあります。

 

急な出費に備えるお金まで投資に回していないか。反対に、20年以上使う予定のないお金を預金だけで保有していないか。

 

金利が動くこの機会に改めて、お金を「備えるお金」「使う予定のあるお金」「育てるお金」に分けて確認することが、資産形成の一助になるのではないでしょうか。

 

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