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資産形成

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物価上昇時の資産形成シリーズ 第2回:「貯める」だけで十分ですか? (掲載日:2026/10/16)

物価上昇資産形成

 

掲載日:2026/10/16

 

前回は、利上げをしても物価がすぐには下がらない理由と、物価が上がる時代に変わりつつあることを解説しました。

今回は、その変化が私たちの将来への備えにどのような影響を与えるのか、「貯める」という身近な行動から考えてみます。

 

1.「老後2,000万円問題」が問いかけたもの

2019年、いわゆる「老後2,000万円問題」が大きな話題になりました。

 

当時、「老後に2,000万円も準備できるだろうか」と不安に感じた方も少なくなかったのではないでしょうか。この頃をきっかけに、「資産形成」という言葉が広く知られるようになったともいわれています。

 

当時の「資産形成」は、主に老後の生活資金を準備するための手段として捉えられていました。

 

一方、前回のコラムでは、物価が上がる時代が当たり前になりつつあることをお伝えしました。こうした環境の変化に伴い、資産形成は「老後への備え」だけでなく、「物価上昇への備え」としても重要性を増しています。

 

 

2.「貯める」ことで準備できた時代

一昔前の日本では、物価がほとんど変わらない、あるいは下がることも珍しくありませんでした。そのため、将来必要なお金は「貯める」ことで準備することができました。

 

例えば、10年後に100万円必要なら100万円を貯める。300万円必要なら300万円を貯める。とてもシンプルな考え方です。

もちろん今でも、お金を貯めることは大切です。

預金には、お金を安全に保管し、必要な時にすぐ使えるという大切な役割があります。生活費や急な出費への備えとして、預金は欠かせない存在です。

 

3.物価上昇によって変わるお金の価値

しかし、物価が上昇する時代になると、少し違った見方も必要になります。

 

例えば、5年後に300万円の車を購入したいと考え、その資金を預金で準備していたとします。

毎月コツコツと貯蓄を続け、5年後には目標どおり300万円が貯まりました。

ところが、その5年間で物価が年2%ずつ上昇していたとしたらどうでしょう。

300万円だった車の価格は、およそ331万円になります。

 

目標の金額は貯まったにもかかわらず、欲しかった車を購入するには31万円足りないことになります。

 

なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

 

それは、「お金の価値」が変化しているからです。

私たちは普段、「いくら持っているか」という金額に注目しがちですが、本当に大切なのは、「そのお金で何が買えるのか」ということです。

 

例えば、以前は100円で買えたものが120円になった場合、同じ100円を持っていても買うことはできません。

 

お金の数字は変わっていなくても、お金が持つ価値は小さくなっているのです。

物価が上がるということは、モノやサービスの値段が上がるということです。

 

言い換えれば、同じ金額で買えるモノやサービスが少なくなり、お金の価値が少しずつ目減りしていくことを意味します。

 

5.「守る」と「育てる」という考え方

だからこそ、これからの時代は「いくら貯まったか」だけではなく、「将来も必要なモノやサービスを購入できるだろうか」という視点が大切になります。

 

老後2,000万円問題も、本当に重要だったのは2,000万円という数字そのものではありません。

そのお金で、自分が望む生活を続けられるのか。将来必要になるお金をどのように準備していくのか。

 

私たちは今、そのことを考える時代を迎えています。

 

こうした背景から近年は、「ただ貯める」だけではなく、「お金の価値を守りながら将来に備える・育てる」という考え方が重視されるようになりました。

 

資産形成とは、まさにその実現を目指すための取組とも言えます。

 

資産形成というと、「投資は難しそう」「損をしそうで不安」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、資産形成とは何か難しいことをして短期間で大きくお金を増やすことではありません。

将来の目標や暮らしを見据えながら、お金の価値の変化にも備えていく。そのために、自分に合った方法で計画的にお金を準備していくことなのです。

 

では、実際には何から始めればよいのでしょうか。次回は、家計の見える化や預金と投資の使い分けなど、資産形成の具体的な始め方を解説します。

 

 

編集:第一生命 資産形成プラス担当者

 

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